付き添い家族にキッチンカーで出来たての食事を届ける活動を行いました!
NPO法人キープ・ママ・スマイリングは、神奈川県立こども医療センター(横浜市南区)の医師らでつくるボランティア団体「ちあふぁみ!」との共同企画・運営として、入院中の子どもに付き添うご家族にキッチンカーを呼んで出来たての食事を提供する新しい取り組みを実施しました。
同センターは、全国に15か所ある小児がん拠点病院の一つで、県内外から大勢の子どもたちが治療のために受診します。子どもの入院に付き添っているご家族は、院内の売店で購入するコンビニ食などで簡単に食事を済ませる日々が続きます。
出来たてのおいしいごはんで笑顔になってもらいたい
キッチンカーで作った温かい食事の提供は、6月の計4日間(6日、10日、13日、20日)、試験的な試みとして実施しました。
メニューは、チキンオーバーライス、焼肉弁当、トルティーヤ、タコスなどさまざまで、付き添い家族・先着30名にはお弁当が400円引きになる割引がありました。
「ガッツリ食べてスタミナつけてね!って気持ちがお弁当から伝わってきました」という感想が
付き添い家族から寄せられました
「温かいうちに食べてね」と言ってもらったことに感動した
購入後のアンケートに寄せてくださった感想からは、子どもの入院に付き添うご家族の厳しい日常が垣間見えました。
「キッチンカーからいい香りがしただけで感動しました。今まで、なかなか自由に外出も難しかったので、こういうお店でしか食べられない多国籍料理に、遊びに行ったような気分になりました。お店を出るときに “温かいうちに食べてね″と言ってもらったことに、また感動しました」
「温かい食事がとれる食堂は、時間帯によっては待ち時間が長くなったり、車椅子の席が確保できなかったり、手軽なコンビニは品薄で選べなかったりすることがあるので、温かいお弁当が待たずに買えるキッチンカーは本当に嬉しかったです」
医療従事者も購入できたので、昼どきには長蛇の列となりました
「今日は天気もよくて、焼肉弁当を外で食べました。一口食べて“お店の味だ!”と感動しました。病院にいると、気持ちに波があります。そんなときはやっぱりおいしいものを食べると頑張れたり、気分が変わる。生きようと思えます」
「ちょうど、1回目のキッチンカーの日が入院日で、そのときは息子が寝るまで病棟から出られず、昼ごはんを食べ損ねてしまいました。子どもの入院に付き添う親は、知らず知らずのうちに無理をしてしまうことが多いので、温かくて おいしいごはんを提供してくれる気持ちがとても嬉しかったです」
ママの健康が子どもの早期回復につながる
6月13・20日は、神奈川県立こども医療センターの近くにある患者・家族滞在施設「リラのいえ」の駐車場で行い、付き添い家族のために病院へお届けするサービスを実施しました。また、地域住民との交流を深めるため、一般向けの販売も行いました。
「リラのいえ」スタッフの皆さんも、駐車場の提供だけでなく、
病院への「お運び隊」など運営に協力してくださいました!
キッチンカーで付き添い家族に食事を提供する試みは、SNSを通してほかの病院で付き添っているご家族や小児医療関係者の大きな反響を呼びました。また、共同通信社の配信により日本経済新聞をはじめ、神奈川新聞、愛媛新聞など多数の地方紙でも紹介されました。
今回、キッチンカーを出店してくださった皆様をご紹介します。付き添い家族や医療従事者においしいごはんを食べてもらいたいというキッチンカーのスタッフの思いが、一つひとつのお弁当に込められていました。
EAT UP MANIA(神奈川県鎌倉市)
メルコーポレーション(東京都世田谷区)
※メルコーポレーション様には、売上の一部をキープ・ママ・スマイリングにご寄付いただきました。
私たちは、入院中の子どもに付き添うご家族の心身の健康を守ることは、病気の子どもが安心して治療を受けるために必要なことであり、それが子どもの早期の回復につながると考えています。
今回の取り組みから見えてきた課題をもとに、キッチンカーを継続的に呼べる仕組みを検討し、神奈川県立こども医療センターでの定期開催に向けて、「ちあふぁみ!」とともに準備を進めてまいります。また将来的には、ほかの病院や地域へも広げていくことを目指します。
この取り組みは「タケダ・ウェルビーイング・プログラム2022」の助成事業として実施されました。