「付き添い白書2025」を発表。国への要望書提出と記者会見を行いました
2026年7月2日、キープ・スマイリングは付き添い入院の当事者・病院・自治体 の最新実態を可視化した「付き添い白書2025」を発表し、その調査結果をもとに、こども家庭庁・厚生労働省へ要望書を提出しました。
あわせて厚生労働省記者クラブで記者会見を開催。東京都立小児総合医療センター院長の山岸敬幸先生とともに、付き添い入院を取り巻く現状や今後必要な取り組みについてお伝えしました。
会見には20名以上の報道関係者が参加し、満員の会場では時間いっぱい質疑応答が行われるなど、付き添い環境改善への関心の高さがうかがえました。

●この3年で前進したこと
2022年に初めて大規模調査を実施し、結果を発表。付き添い家族が無償の労働力として不可欠な状態になっていること、食べられない、眠れない、目が離せない状態が続き、体調悪化につながっていることが明らかとなりました。
その現状をもとに2023年に環境改善に関する要望書を提出して以降、診療報酬改定で付き添い家族への配慮が盛り込まれたり、こども家庭庁による「こどもの付き添い入院環境改善事業」が始まったりと、国の制度にも大きな変化がありました。
今回、3年ぶりの調査では、睡眠や入浴など生活環境に改善の兆しが見られたほか、付き添い環境の改善に取り組む病院も増えています。
一方で、多くの付き添い家族が依然として十分な食事や休息を取れず、約6割が体調不良を経験し、約8割が経済的な不安を抱えていることも分かりました。また、病院では親が看護の一部を担う状況が続き、人材や財源の不足から改善が思うように進まない現実も明らかになりました。

●親の役割は、看護ではなく子どもの心の支え
会見では、理事長の光原が、「親の役割は子どもの精神的な支えであり、看護の担い手ではありません」と話しました。
子どもに付き添いたいと思う親は多くいます。しかし、仕事やきょうだい児のことなど、それぞれの家庭には異なる事情があります。だからこそ、「付き添う」「付き添わない」を家族が選択できること、そして、付き添う場合も安心して過ごせる環境を整えることが重要です。
また、山岸先生からは、「付き添いは子どもにとって大切ですが、親の自己犠牲の上に成り立っていては本末転倒です」とのお話がありました。親が健康を損ない追い詰められてしまえば、子どもへの最善の医療にも影響しかねません。
一方で、診療報酬改定や国の補助金は現場を後押しする大きな一歩になっており、実際に補助金を活用して付き添い家族が休息できるスペースを整備した病院では、多くの家族から喜びの声が寄せられていることも紹介されました。

●国へ5つの要望を提出
調査結果を踏まえ、厚生労働省および子ども家庭庁を訪問し、担当者に要望書を提出。提出後は担当部署の皆様と、付き添い環境改善に向け意見交換を行いました。
要望書の中で私たちは国に対し、以下の5項目を要望しました。
- 「安心して付き添える環境」と「安心して離れられる医療体制」の実現
- 小児病棟の人員配置・支援体制の充実
- 付き添い家族の食事・睡眠など生活環境の改善
- 「こどもの付き添い入院環境改善事業」の継続・拡充
- 継続的な実態把握と当事者の声を反映した制度づくり

●付き添い環境の改善は、社会全体で取り組む課題です
記者会見では、「改善は始まっている。しかし、まだ道半ば」という言葉が何度も語られました。
私たちだけの活動には限界があります。だからこそ、病院や行政、企業、市民の皆さんと力を合わせながら、全国で生まれている好事例を広げていきたいと考えています。
現在キープ・スマイリングでは、付き添い環境の改善をさらに加速させるため、見守りサポーターの育成・派遣や、小児病棟を地域で応援するプラットフォームづくりを進めています。また、これらの活動を支えるクラウドファンディングも実施中です。
子どもが入院しても、家族が安心して付き添い、必要なときには安心して離れられる。そんな療養環境を全国に広げるため、これからも活動を続けてまいります。ぜひ、皆さまのご支援・ご協力をお願いいたします。



