【ご報告と御礼】小児医療分野における「令和 6 年度診療報酬改定」について
「入院中の子どもに付き添う家族の生活実態調査 2022」及び、 「入院中の子どもに付き添う家族のケア記録調査」のご回答にご協力くださった皆様へ
(※こちらは、回答者の皆様にメールでお送りしたものと同じ内容になります)
付き添い環境改善の新しい扉が開かれようとしています
2月14日、厚生労働省で第584回中央社会保険医療協議会総会が開催され、「令和6年度 診療報酬改定」の内容が明らかになりました。
小児医療の分野では、夜間を含め、複数名の保育士や看護補助者の配置に対する報酬が認められました。また、小児入院医療管理料を算定する医療機関には、家族の食事や睡眠環境など付き添い環境に配慮することが求められています。詳細は2段落目の「令和6年度 診療報酬改定」をご覧ください。
今回の診療報酬改定では、私たちが付き添い者の優先的課題として国に要望していた、 「食事・睡眠・見守り」の状況を解決するための対策がすべて盛り込まれており、この内容を高く評価しています。
そして、何より「入院中であっても子どもの成長・発達に対する支援が行われ、かつ希望によって家族等が子どもに付き添う場合に、家族等に過度な負担がかからない医療機関の体制を確保する」観点から診療報酬の改定が行われたことは、小児の入院医療にパラダイムシフトをもたらす、本当に素晴らしい成果であると考えています。
私たちが目指している ‟子どもと家族をまんなか” にした入院・付き添い環境改善の新しい扉が、ようやく開かれようとしています。
これも私たちが国に要望書や意見書を提出するうえで貴重なデータとなりました大規模調査、ケア記録調査にご協力くださった当事者・経 験者の皆様のおかげです。この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。
「一つひとつの声は小さくても、たくさんの声が集まることで、付き添いの過酷な環境を変えていく大きな力になる」――。私たちは今、この言葉をあらためて噛みしめています。
令和 6 年度診療報酬改定は 6月1日から施行されます。これにより小児入院医療管理料が認められている小児病棟(約 860 余りの医療機関)で、入院・付き添い環境改善に対する本格的な取り組みが始まっていくことでしょう。
この数は小児科を有する医療機関全体(2400余り)の約3分の1に過ぎないため、当事者にとって当面は大きな変化を感じられないかもしれません。しかし、国をはじめ、小児医療関係者の皆様が当事者の声を真摯に受け止め、異例のスピードで対応してくださっていることは間違いありません。私たちは多くの関係者に調査結果を示し対話を重ねていく中で、それぞれの立場から現状の付き添い環境を課題であると捉え、改善を望まれていることを確認できたからです。
近い将来、現在の状況は必ずよい方向に向かっていきます。
これからも力を合わせて、当事者・経験者の声を伝え続け、病気の子ども、そしてきょうだい児たちに安心して向き合える入院・付き添い環境をともにつくってまいりましょう。
令和 6 年度診療報酬改定
小児医療、周産期医療の充実
小児入院医療管理料における保育士・看護補助者の評価の新設
第1 基本的な考え方
入院中であっても子どもの成長・発達に対する支援が行われ、かつ、希望によって家族等が子どもに付き添う場合に家族等に過度な負担がかからない医療機関の体制を確保する観点から、 保育士や看護補助者の配置について、小児入院医療管理料の要件及び評価を見直す。
第2 具体的な内容
1.小児入院医療管理料の注2及び注4の加算について、保育士を複数名かつ夜間に配置している場合の評価を新設する。
【現行】
小児医療入院管理料
注2 1日につき 100点を所定点数に加算する。
注4 重症児受入体制加算として、1 日につき 200点を所定点数に加算する。
【改定後】
小児医療入院管理料
注2 次に掲げる点数をそれぞれ1日につき所定点数に加算する。
保育士1名の場合 100点 保育士2名以上の場合 180点
注4 次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。
重症児受入体制加算1 200点 重症児受入体制加算2 280点
2. 小児入院医療管理料に、夜間を含めて看護補助者を配置している場合の評価を新設する。
(新) 看護補助加算(1日につき) 151点
(新) 看護補助体制充実加算(1日につき) 156点
3. 小児入院医療管理料において、小児の家族等が希望により付き添う場合は、当該家族等の 食事や睡眠環境等の付き添う環境に配慮することを規定する。
(第 584 回中央社会保険医療協議会総会資料より抜粋)