独自調査【子どもの入院への付き添いに関するアンケート】結果のご報告
キープママ独自調査【子どもの入院への付き添い体験に関するアンケート】結果のご報告
医療の進歩によって従来よりも子どもの命が助かるようになった半面、継続的な治療が必要となったり、また治療によって生じた障害や後遺症のために入退院を繰り返さなければならなくなったりする子どもたちが増えています。
そして子どもが小さいほど、子どもの入院に付き添い、病室に泊り込んで看護せざるを得ない親(特に母親)が存在します。
子どもが入院すると、子どもだけでなく家族にも様々な影響を与えること(病院に寝泊まりをして子どもの療養生活を支える、遠方からの面会を強いられる、きょうだい児の世話や仕事との調整を求められるなど)がこれまでの調査から判明しているものの、付き添い家族(特に負担の大きい母親)から直接、実体験を聞き取る調査はあまり行われてきませんでした。
そこで、2019年4月に独自にウェブ調査【子どもの入院への付き添い体験に関するアンケート】を実施。全国から222名の回答が寄せられました。
調査概要
実施期間:2019年4月5日〜2019年5月27日
調査方法:ウェブアンケートフォーム(団体ウェブサイト、SNS、メールマガジンにて広報)
調査対象:全国の子どもの入院に付き添い経験のある親
回答者数:222名
男女比:女性97%、男性3%
調査結果サマリー
体調について:
→すべての付き添い経験者の57%が体調を崩した経験ありと回答
1か月以上付き添い経験者の72%が体調を崩した経験ありと回答
睡眠状況について:
→すべての付き添い経験者の78%が寝不足だったと回答
食事の栄養状況について:
→すべての付き添い経験者の80%が栄養不足だったと回答
経済的不安について:
→すべての付き添い経験者の55%が経済的な不安を感じたと回答
1か月以上付き添い経験者の69%が経済的な不安を感じたと回答
アンケートに寄せられたコメント
付き添い生活の実態について寄せられたフリーコメントの一部を抜粋してご紹介します。
食事について:
「コンビニのみ、病院の近くに他のお店もない、付き添いなので30分以上外出できないので病院内にあるコンビニのみ」
「母乳育児中だったのに母親への食事が提供されないこと。子供から一種運でも目を離すと、CVカテーテルをちぎってしまいそうになる(=治療の遅延=死に近づく)ので目が離せない。毎日親族にスーパーなどでお弁当を買ってきてもらうなどして、食事を差し入れてもらっていた。」
「病院内のコンビニで済ませるか、家族に買ってきてもらってお弁当。子供の看病で疲れている上に満足な食事がとれずメンタルが弱った」
「コンビニが主で、主人や母からの差し入れもあったが、それらもほぼ冷凍食品。意識してサラダを食べるようにしていたが、体調の悪化や肌荒れが酷かった。」
「毎回非常食というのが実態。」
「子どもの側を離れられないので、カップラーメンやシリアルで済ませる事が多かった。」
睡眠について:
「睡眠時間が取れない。昼間は体位交換やオムツ交換、吸引、回診…夜はお任せしても2時間ごとかバイタルの変化が無い限り来ないから気が付いた自分がやっている。」
「夜中なかなか寝ず、周りにとても気を使った。」
「簡易ベッドは小さく、病室の椅子も快適では無く、常に体の節々が痛く、疲れが取れない状態だった。」
「夜間全く眠ることができないのに、日中に仮眠をとることすら許されない(子どものベッドの柵をおろしてはいけない…危ないというのは分かるのですけど、うちの子は手足を縛られていました。簡易ベッドは片付けなければいけない、などルールがあり)環境は過酷でした。」
「とにかく、簡易ベッドの寝心地が悪い。」
「簡易ベッドもなく、子どもと同じ柵の中のベッドで一緒に寝ること。全然休まらない上に寒い。柵がアルミなので触れると冷たい。」
「子供のベッドに添い寝だったので、狭くて毎日睡眠不足だった。」
「 私自身臨月だったのだけど、簡易ベッドもなく子供用の柵の付いたベッドで添う形で寝なければならなかったのが苦痛で仕方なかった。」
「就寝時は、簡易ベッドを借りましたが、娘が泣くので添い寝にしました。しかし子ども用の狭いベッドなので私は脚を伸ばせず、つらかったです。普通のサイズのベッドだったらよかったのに、と思いますが、付き添いのない子どもにはそれは不向きなのかもしれないですね。」
「体調の悪い子供は夜中にも状態が落ちつかないことがあり、睡眠不足になる時期があった。常に人の目があり気が休まらなかった(治療や看護のため昼夜を問わず医師や看護師が出入りする。寝不足でも昼寝もままならない)」
「簡易ベッドを置くには狭すぎる病室なので、小児用ベッドに子供と添い寝する毎日で体がバキバキに硬くなった。」
経済的不安について:
「急な入院だったので、予定していた仕事をキャンセルしなくてはいけなかった。」
「洗濯、食事など普段の倍以上のお金がかかり、付き添いで働くことも出来ないためいつ貯金が底をつくのかヒヤヒヤした」
「食費、自分の体調を保つためのサプリやお薬など医療費、家族が病院に来るための交通費(ガソリン代など)について、節約するにも限界があると感じた。」
「確定診断が付かず、子供の食事代だけで月々4万円かかり、生活が苦しかった。」
「母子家庭で入院付添い→働けないという状態になり、無収入になった」
「こんな状況でこのまま家に帰ったら母親が仕事をすることはまず無理だろうなぁと将来が不安になりました。看護師も在宅移行にあたり母親の仕事という話は一言もしませんでした。ソーシャルワーカーも、皆さん仕事をあきらめていますといっていました。」
「食費は、なんとか節約しようとしましたが、そうすると栄養不足になり、肌荒れ、抵抗力も下がり悪循環でした。なので、サラダ、フルーツ、ヨーグルト、あれもこれもと買っていると経済的に苦しかったです。」
一番大変だったこと:
「病院側とまったく意思疎通が出来ず、最終的に全部こちらが悪者にされたことです。あれ以来電子カルテ恐怖症です。」」
「双子の弟の精神的ケア。自分が我慢し頑張ればどうにかなるが、ずっと母親、双子の兄と離れて生活するきょうだい児に精神的負担が大きくなってしまうことが辛い」
「入院していた三男には二人のお兄ちゃんがいます。母である自分としてはお兄ちゃんたちも三男もどちらも大事にしたかった。」
「子どもが辛そうにしていること、病状の悪化、回復に時間がかかったこと。」
これから入院する人へのメッセージ:
「ご自身の心身の健康管理も大事にしてくださいね!」
「どうしてもカップ麺、インスタント食品になりがちですが、入院が長引くほど栄養不足になります。付き添いの方の体調管理もとても大事です。」
「我が家は付き添いを避けるために完全看護の病院に転院しました。そういうことまで含めて相談できる先を見つけておいたほうがいいです。」
「看護師さんが優しく、夜泣きのときに少しだけ変わってくださいました。個室代が非常に高いので、数日だけ個室にするなど、途中から部屋を変えてもいいと思います。」