2015年7月 ミールdeスマイリング@せたがやハウス実施のご報告
第一回ミールプロジェクトを実施
2015年7月12日(日)第一回ミールプロジェクトを実施しました。病児ママサポートが定期的に提供しようと考えているプロジェクトの1つで、病気治療のためにファミリーハウスへ滞在しているご家族へ夕食を提供するというボランティア活動です。
今回は、ドナルド・マクドナルド・ハウスせたがやにて実施した時の模様をレポートします。
「ドナルド・マクドナルド・ハウス」を知っていますか?
現在、難病に苦しむ子ども達は全国で20万人いると言われています。病気の子どもを支える家族には、自宅と入院先との二重生活による経済的な負担や、精神的な負荷がかかります。
ドナルド・マクドナルド・ハウスは、子どもが入院する病院の近くに滞在できる家族のための施設で、1974年にアメリカフィラディルフィアで誕生。世界には348のハウスがあります。日本では今から15年前に公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパンが設立され、全国で10の施設を運営しています。
せたがやハウスは、2001年12月に国立成育医療センターに隣接した場所に国内第一号として誕生しました。東京都以外の全国や海外から治療のために国立成育医療センターを訪れている家族は、1日1,000円で滞在することができます。館内は光がたっぷりと差し込むアットホームな雰囲気で、寝室は21室あり、図書室などもあります。キッチンが完備され、滞在中は自炊をすることができます。
「一日中子どもの病気に付き添って疲れた体を休めるためにも、一人になってゆっくりと過ごせる場所が必要です。食堂にはテレビを置き、ゆっくりと食事をしてもらえるようにしています」と、ハウスの運営マネジャーを務める峯田さんが説明してくれました。
ハウスの建設と運営には多大な費用がかかりますが、これらは全て寄付で賄っているそうです。部屋の掃除やベッドメイキング等は現在約160名いる登録ボランディアの方たちが交代で担当します。最も重要なのが、施設運営費などの寄付金。企業や個人から寄付金をいただいた場合は、「感謝の樹」といってプレートに名前が書かれ、エントランスに飾られています。
「ハウスがボランティアや寄付で成り立っていることを知ると、ご家族は頑張っているのは自分一人だけでない、いろいろな人に支えられているんだと思えるようです」と峯田さん。
「病気の子どもを看病する家族のケアは、意外と置き去りにされてしまうことが多いんですね。私たちが家族のサポートをすることで、親御さんは再び子どもの看病に頑張ろうと思える。家族を支えることは、結果的に子ども達を支えることにつながると思っています」と、この仕事にかける思いを語ってくれました。
自分の食事や栄養管理は二の次になる病児ママに夕食を提供したい
子どもの看病を優先させるお母さんは、自身の食事や栄養管理は二の次になってしまいがち。キープ・ママ・スマイリングの理事長も自身の子どもの入院に付き添っていた時は、子どもが寝ている間にコンビニ食で済ませる、といったことも日常茶飯事だったそう。付き添いを終えてハウスへ帰ってきた時に、栄養たっぷりの食事が用意されていたら、再びエネルギーをチャージできるのではないか。ミールプロジェクトはそんな思いからスタートしました。
「栄養の偏りを正せて元気が出るメニュー」をと考え、献立は一汁三菜に決定。和風ハンバーグとお味噌汁、ご飯をメインに、副菜はほうれん草のごま和え、きゅうりとわかめの酢の物、冷や奴からお好きなものを選んでいただけるようにしました。
メニューは栄養士の資格を持つ女性が考えてくれ、私たちが調理を担当。また、中学生2名と高校生1名が調理ボランティアとして参加してくれました。総勢8名で17家族約30名分の夕飯を準備。
ハンバーグに使ったタマネギと付け合わせのじゃがいも、ミニトマトは、肥料・農薬を全く使わずに育てられた、皮まで食べられるお野菜を販売する「たんじゅん野菜いかす」さんのご好意で格安で提供いただきました。
お味噌汁も昆布と鰹節でだしを取り、野菜も丁寧に一人ひとりがカットしました。約4時間かかり、ようやく完成。手書きのメッセージも添えさせてもらいました。
今回の反省を活かし、継続的な活動へ
夕食後、何名かの方からコメントをいただきました。「久しぶりに食事らしい食事を取れた。もう少し頑張れそうです」といった嬉しい言葉や「おかずを選ぶのが少々分かり辛かったです、すみません」といった次回へ活かせる改善点も。
今後実施するうえでの課題や改善点などもいろいろ見えてきました。今回の反省点をきちんと振り返りながら、次へ活かしていこうと思います。
公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン